「急な下痢」や「長引く下痢」の原因とは?

腹部エコー

「急にお腹が痛くなってトイレに駆け込んだ」

「下痢が何週間も続いていて不安……」

エコーくん
エコーくん

下痢は日常的に起こりやすい症状ですが、実はその裏に深刻な病気が隠れていることも少なくありません。特に、水分摂取が十分にできない場合や、血便を伴う場合は早急な対応が必要です。

本記事では、下痢の定義や原因、受診のタイミングと注意すべき病気を解説していきます!

急性下痢・慢性下痢の原因と受診の目安

下痢とは、水分を多く含んだ便が頻繁に排泄される状態を指します。水のような便が続いたり、強い便意や腹痛を伴ったりすることも多く、日常生活に大きな支障をきたす症状です。冷えや暴飲暴食、ストレスなど身近な原因で起こることも多く、多くの方が一度は経験されたことがあるでしょう。

軽症で短期間に改善する下痢であれば大きな問題にならないこともありますが、症状が長引く場合や、何度も繰り返す場合には、消化器疾患が隠れている可能性があります。また、下痢によって十分な水分補給ができないと、脱水症状を起こしやすくなります。
※特に小さなお子様やご高齢の方は注意が必要です。

「たかが下痢」と軽く考えず、気になる症状がある場合は早めに病院・クリニックへ相談しましょう。


下痢とはどのような状態?(定義とメカニズム)

私たちの体内(消化管)には、飲み水や食事、分泌される消化液を合わせると、1日におよそ10リットルもの水分が流れています。そのうちの約7〜8リットルは小腸で、残りのほとんどが大腸で吸収され、最終的に便として排出される水分量はわずか100ml程度です。

水分量による便の分類

健康な便の水分量は約70〜80%ですが、このバランスが崩れると便の形状が変わります。

  • 軟便: 水分量が80〜90%の状態。
  • 下痢: 水分量が90%を超えた状態。

何らかの原因で、腸での水分吸収が不十分になったり、腸からの水分分泌が増えたりすることで、水のような「下痢」が起こります。

「急性下痢」と「慢性下痢」の違い

下痢はその期間によって大きく2つに分類されます。

1.急性下痢(2週間以内に改善するもの)
多くは細菌やウイルスによる感染症、暴飲暴食、冷えなどが原因です。

2.慢性下痢(4週間以上続く、または繰り返すもの)
腸の炎症性疾患や過敏性腸症候群(IBS)、大腸がんなどが隠れている可能性があるため、専門的な検査が推奨されます。


【要注意】早急に医療機関を受診すべき症状

「ただの下痢だから」と放置するのは危険です。以下の症状がある場合は、重症化や合併症を防ぐため、速やかに消化器内科を受診してください。

  • いきなり激しい下痢が起こり、一向に治まらない
  • 便に粘液や血液が混じっている(血便・粘血便)
  • 吐き気、嘔吐、高熱を伴っている
  • 腹痛が激しく、排便しても痛みが引かない
  • 脱水症状がある(口の渇き、、尿量の減少など)

注意:市販の下痢止めについて
感染症(細菌やウイルス)が原因の場合、下痢止めで無理に便を止めると、病原体や毒素が体内に留まり、症状が悪化したり回復が遅れたりすることがあります。自己判断での服用は避け、まずは医師に相談しましょう。


下痢を引き起こす主な疾患

下痢の原因は多岐にわたります。ここでは、代表的な疾患とその特徴を解説します。

① 感染性腸炎(ウイルス・細菌感染)

ウイルスや細菌に感染して起こる急性の下痢です。
激しい下痢に加え、発熱や嘔吐を伴うことが多く、短時間で脱水に陥ることもあります。
感染力が強いため、周囲への感染対策も重要です。

ウイルス性(冬に多い):
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど。感染力が強く、家族内感染にも注意が必要です。

細菌性(夏に多い):
サルモネラ菌、カンピロバクター、O-157など。食中毒として知られ、激しい腹痛や発熱を伴うことが多いのが特徴です。

② 過敏性腸症候群(IBS)

検査をしても腸に炎症や腫瘍などの異常が見つからないにもかかわらず、ストレスや自律神経の乱れによって下痢や便秘を繰り返す疾患です。

特徴:
突然の激しい腹痛とともにトイレに駆け込む「下痢型」
慢性的な便秘、腹痛、膨満感のある「便秘型」
便秘と下痢を繰り返す「交代型」などがあります。

背景:
緊張する場面や移動中(電車など)に症状が出やすく、生活の質(QOL)を大きく低下させますが、適切な治療で改善が期待できます。

③ 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる、国の「指定難病」です。

  • 潰瘍性大腸炎: 主に大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、下痢や血便を伴います。
  • クローン病: 口から肛門まで、消化管のあらゆる場所に炎症が起こる可能性があります。

どちらも症状が治まる「寛解期」と悪化する「再燃期」を繰り返すため、長期的な専門治療が不可欠です。

④ 大腸ポリープ・大腸がん

ポリープが大きくなったり、がんが進行したりすると、便の通り道が狭くなり、下痢や便秘、便が細くなるといった症状が現れます。

予防:
大腸ポリープは「前がん病変(がんになる手前)」の段階で切除することで、将来の大腸がんを予防できます。
※肛門に近い場所にポリープがある場合は、血便が出ることもあります。


下痢の検査について

問診では、便の状態・回数・色・臭い、腹痛の有無、発症時期、海外渡航歴、服用中の薬などを詳しく伺います。
必要に応じて以下の検査を行います。

  • 血液検査
  • 便検査(便培養・便潜血・便中カルプロテクチンなど)
  • 腹部エコー検査
  • 腹部CT検査
  • 大腸カメラ検査

大腸カメラ検査では、腸粘膜の状態を詳しく観察し、必要に応じて組織検査を行うことで正確な診断が可能です。また大腸ポリープも医師の判断のもと切除する事が可能です。


下痢の時のセルフケアと治療法

下痢の治療は「原因に合わせた対応」が基本ですが、家庭でできるケアも重要です。

急性下痢の場合の過ごし方

十分な水分補給:
脱水を防ぐため、常温の水や湯冷まし、経口補水液をこまめに飲みましょう。冷たい水やカフェイン(コーヒー、緑茶)、アルコールは腸を刺激するため厳禁です。

胃腸に優しい食事:
症状が落ち着いてきたら、白粥、煮込みうどん、すりおろしリンゴ、コンソメスープなど、消化の良いものを少量ずつ摂取してください。

感染対策:
手洗いを徹底し、タオルなどの共有を避けましょう。
※食品や介護・医療に携わる方は、症状消失後48時間は出勤を控えることが推奨されます。

慢性下痢の場合

まずは専門医による診断を受け、原因疾患(IBSや炎症性疾患など)に応じた薬物療法を行います。あわせて、以下の生活習慣の見直しが有効です。

刺激物を避ける:
香辛料、カフェイン、冷たい飲食物、アルコールを控える。

体温管理:
足腰を冷やさないよう心がける。

高脂肪食を控える:
脂肪分の多い食事は腸の動きを活発にしすぎるため、下痢を悪化させます。


まとめ:下痢を放置しないでください

下痢は、体が「異常」を知らせる大切なサインです。

単なる食べ過ぎや冷えであれば数日で治まりますが、裏に潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの重い病気が隠れていることもあります。

「体質だから仕方ない」「いつものことだから」と諦めたり、我慢したりする必要はありません。適切な診断と治療を受けることで、毎日の不安を解消し、快適な生活をしましょう!


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